奇珍がイビせる街をさまよう4

・・・・・・、わたしがこうして『無駄話』で『時間稼ぎ』をしながら『本当はなにをたくらんでいる』のか、どんな言外の意味を生成しようとしているのかを観察しているはずだ。あなたはわたしの言葉を見てはおらず、わたしの体を流れる電流の様子を観察し...

奇珍がイビせる街をさまよふ3

しみじみ飲めば しみじみと 思い出だけが 行き過ぎる 涙がポロリと こぼれたら 歌いだすのさ 舟唄を 八代亜紀「舟唄」より  私はほぼ毎日、日記を書いているのだが、長いのでこの手記には或る日の一部を抜...

奇珍がイビせる街をさまよふ2

僕はうんざりした気分でそう言った。彼女の口調には僕を苛立たせる何かがあった。もっともそれを別にすれば、彼女は僕を少しばかり懐かしい気分にさせた。古い昔の何かだ。もっとごくあたり前の状況でめぐりあえたとしたら、僕たちはもう少し楽しい時間を...

奇珍がイビせる街をさまよふ 1

「かくてもあられけるよ」 「なにそれ(笑)」 「うふふ。魔法のおまじない(笑)」 恋塚ひさめ「生きるとは味わうことだ」より 私はほぼ毎日、日記を書いているのだが、長いのでこの手記には或る日の一部を抜粋した...
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